優しい観客と幻想の崩音

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俊は蔑むようにあたしを見た。すごく冷たい視線が刺さる。 「幻滅だなあ。ホント幻滅だわ。そんな話聞きたくないし。無理とか借りるとか言われたら遠慮するって分からない? そんなことも分かんないなんて幻滅だよ」 ぼろぼろって涙がこぼれた。すごく痛い思いしたときのように自然と溢れた涙だ。 「ちぇ、大事な親友だったのに。お互い干渉しない約束じゃん。内情知らされると萎えるし。無理させるつもりなかったし。これじゃ親友も無理だわ。ホント幻滅した」 聞き覚えのない残酷な声。あたしを大事だと言った声はどこにもない。 涙が止まらないよ。あたしもう壊れちゃう寸前だ。 耐えきれなくて顔を手で覆う。そんなとき、グッと強く肩を抱かれた。先輩があたしの肩を包み込んでいる。 「おい、あんた、何やその言い草は!」
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