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――私の命が残りわずか!?
お姉様の言葉に耳を疑った。
「なんですって……?」
「体内の毒が、徐々に強くなっているようなのです。レネの力で、それが見えたため、急いで薬を渡したのです」
「早く言いなさいよ! お姉様、薬を持ってきて!」
「私はひと瓶だけだと言いました」
お姉様は悲しい顔をし、目を伏せた。
「今まで私は、何度もロザリエと仲良くなろうとしてきました。でも、それをロザリエは否定し続けましたね」
なんだか雰囲気がいつもと違うことに気づいた。
お姉様は私に怒っているのだ。
「兵士たち一人一人に家族がいます。それを考えず、感情に任せて兵を動かしたことは許せません」
「お、お姉様待って、薬をまた作って! お願い! お願いよ!」
「ええ。それは構いません。ただし、解毒薬は渡せません。延命のための薬のみです」
お姉様は怒っていた。
今まで、お姉様が本気で怒ったところを誰も見たことがなかった。
「薬が欲しいのであれば、二度とこのような真似をしないこと。そして、戦争を仕掛けるような真似をしたら、薬を渡さないと、覚えておいてください」
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