32 後悔 ※ロザリエ視点

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 ――私の命が残りわずか!?  お姉様の言葉に耳を疑った。 「なんですって……?」 「体内の毒が、徐々に強くなっているようなのです。レネの力で、それが見えたため、急いで薬を渡したのです」 「早く言いなさいよ! お姉様、薬を持ってきて!」 「私はひと瓶だけだと言いました」  お姉様は悲しい顔をし、目を伏せた。   「今まで私は、何度もロザリエと仲良くなろうとしてきました。でも、それをロザリエは否定し続けましたね」  なんだか雰囲気がいつもと違うことに気づいた。  お姉様は私に怒っているのだ。 「兵士たち一人一人に家族がいます。それを考えず、感情に任せて兵を動かしたことは許せません」 「お、お姉様待って、薬をまた作って! お願い! お願いよ!」 「ええ。それは構いません。ただし、解毒薬は渡せません。延命のための薬のみです」  お姉様は怒っていた。  今まで、お姉様が本気で怒ったところを誰も見たことがなかった。 「薬が欲しいのであれば、二度とこのような真似をしないこと。そして、戦争を仕掛けるような真似をしたら、薬を渡さないと、覚えておいてください」
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