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「お祝いですか!? そんなお祝いなどしていただいてよろしいのでしょうか?」
「もちろん」
お祝いされるのは、結婚式を含めて二回目。
しかも、今度は私だけのお祝いだった。
「ケーキの準備ができたよっー!」
シュテファン様の明るい声が響き、国王陛下夫妻が現れ、一気に賑やかになる。
「ナタリーが考えてくれたんだ」
生クリームたっぷりのケーキは、花で飾られていた。
「あら、わたくしも負けてなくてよ?」
クッキー類の焼き菓子は王妃様で、一つ一つに文字が入っている。
おめでとうとか、ありがとうとか、なんだか嬉しくなる言葉ばかりで、食べるのがもったいなく感じた。
「お祝いと言えば、贈り物だろう?」
国王陛下が私にくれたのは、医療院の制服だった。
「素敵な制服ですね。胸の紋章にレネがいます」
紋章になるくらい偉いレネは、テーブルの端っこで花の砂糖菓子をかじっていた。
「俺からは花を」
私の髪に約束の雪の花を飾ったアレシュ様。
忘れない約束の花――私たちは見つめ合い微笑んだ。
庭園には花が満ち、噴水の水は輝き、テーブルの上にはお茶とお菓子が並ぶ。
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