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「可能性はゼロではないと思うんです。ですから、嫁ぐのを楽しみにしています」
お父様の命令で、私を処刑しようとして、呪いを受けた人たちの症状を緩和させることに成功した。
でも、それはあくまで、症状を抑えるものであり、治療ではなかった。
目指すは完治――お兄様はそんな私の気持ちを理解しておらず、強がりだとばかりに嘲笑う。
「父上。シルヴィエは嘘をついているだけですよ。本当は辛いはずです」
「私の言葉に嘘偽りはございません」
心からの笑みを浮かべた。
「このまま、レグヴラーナ帝国の皇宮で、一生を過ごし、死を待つだけの身と思っておりました。他国の知識を得られるなんて、とても幸運です!」
ただ、この結婚……
私にとって幸運なことだけど、私を妻に迎える結婚相手は不運だ。
心から申し訳ないと思う。
神に呪われた私は危険で、なにが起こるかわからない。
未知の危険を回避するには、私に近づかず、触れずに生活するのが、一番の安全だった。
――旦那様となる方には、きちんと説明いたしましょう。たとえ、形だけの妻となろうとも、嫉妬だけはしないと決めて。
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