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私が持つ呪いの力で、二度と人を傷つけたくなかった。
私にかけられた呪いが、いつ、どのタイミングで人を傷つけるかわからない。
現に一度、妹のロザリエは死にかけた――
「ふん、喜んでいられるのも今のうちだけよ。お姉様の結婚相手も、きっと私みたいに病弱な体にされて、妻に迎えたのを後悔するわ!」
「ロザリエ。もしかして、私を心配してくれているんですか?」
「は? 心配なんかするわけないでしょ!」
ロザリエは子犬のようにキャンキャンと騒いでいて、とっても元気そうだった。
でも、あんまり騒ぎすぎると、ロザリエの体はもたないため、お母様が落ち着くように隣で、ロザリエを止めていた。
「馬鹿な娘だ。お前は敵国に嫁ぐということをわかっていない。愛され、幸せな結婚生活など不可能だ」
「敵同士とはいえ、夫婦になるのですから、仲良くしたいと思っております」
私の言葉のどこが面白かったのか、お父様は大笑いした。
「第一皇女シルヴィエに命じる。夫となるアレシュ王子を殺せ」
「殺す?」
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