1 敵国に嫁ぐことになりました

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「お前をなんのために嫁がせるか、わからないのか。暗殺だ。その呪いの力で、敵国の王子を暗殺しろ」  ――暗殺。  それはレグヴラーナ帝国の皇帝として、皇女の私に下した正式な命令だった。  私の結婚は、夫を殺すためのものだと気づいた。 「幸せになれると思うな」  お父様は嫁ぐ娘に、残酷な言葉をかけ、敵国ドルトルージェへ送り出した。  私を一番苦しめているのは、名も知らぬ神の呪いではない。  私を幸せにさせないという家族からの呪いだった――
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