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「お前をなんのために嫁がせるか、わからないのか。暗殺だ。その呪いの力で、敵国の王子を暗殺しろ」
――暗殺。
それはレグヴラーナ帝国の皇帝として、皇女の私に下した正式な命令だった。
私の結婚は、夫を殺すためのものだと気づいた。
「幸せになれると思うな」
お父様は嫁ぐ娘に、残酷な言葉をかけ、敵国ドルトルージェへ送り出した。
私を一番苦しめているのは、名も知らぬ神の呪いではない。
私を幸せにさせないという家族からの呪いだった――
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