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「銀次ぃ!てめぇ弛んでるんじゃねえか!?」
おやっさんの部屋で、龍騎に詰められるのは最近の俺のデフォルトだ。
「ムショにぶち込まてから丸くなっちまったんじゃねえか?極悪非道の銀次さんよぉ。」
土下座に近い体制。頭に足が乗っている。
おやっさんはソファーで葉巻を吸ってそれを見ている。
顔を蹴り上げられて鼻血を流す。
「龍騎、そいつの顔は貴重品だからよ、傷つけんな。」
おやっさんが立ち上がって、ティッシュで俺の鼻を拭った。
「銀次ぃ、てめぇの仕事は、金を搾りとってくることだろ?いらねえ情けかけてんじゃねえ。」
「……。」
おやっさんから目を逸らす。
「銀次ぃ。てめぇ最近、信心深いんだってな。」
慎之助がなんか言ったか。まあ、アイツは黙ってろって言わないとなんでも喋っちまうから仕方がないか。
「寺に出入りしてるんだって?」
「……2回行っただけです。飯食っただけでなんもしてません。」
「坊主とは仲良くしとけ。戒名に箔がつくからよ。」
「……。」
「舐めたことしてると、てめぇの命もねえからな。」
煙を吐きかけられた。
足抜けできねえなら死ぬのもありだ。
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