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いつの間にか修一の姿はなくなっていた。
「おい、修一?」
訳が分からなかった。
「修一。どこに行ったんだ」
部屋の中を見回しても修一の姿はない。
突然、外から小さく悲鳴が聞こえた。
オレは窓の外を見た。
奇麗な夜景が広がっていた。
下を見た。
暗くて分からない。
だけど何かがあるのが分かる。
何だろう。
人が集まってきた。
まさか、違うよな。
そんな訳ないよな。
だって、もしそうなら修一は……。
そうだ。
きっと、かくれんぼだ。
子どもの頃に二人でよくやったやつ。
修一はオレのことを認めてくれたんだ。
だからかくれんぼをしようとしているんだ。
だったら探してあげないと。
「修一、どこだ?」
オレは部屋を出た。
「修一」
リビングへ入る。
「ここにいるのか?」
だけどそこにも姿はない。
「修一?」
脱衣所の扉を開けた。
「修一、出てこいよ」
そして、やっと見つけた。
「なんだ、修一ここに隠れていたのか」
そこには修一が立っていた。
オレの双子の兄である修一。
「また仲良くできて嬉しいよ、修一」
やっぱりオレ達は最高の双子だ。
だって、こんなに顔がそっくりなんだから。
オレは修一に向って満面の笑みでこう言った。
「これからもよろしくな」
END
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