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消えた疑問
「……仮にいま言った状況だった場合……あなたの頭を私が銃で直接狙い撃つ、というのは難しいでしょう。なぜかというと、私は入手したばかりの銃の扱いに不慣れなので〜。さらに……どうぞ好き勝手にしてください……ではなく、私自身、あなたの不可解な行動に驚き、抵抗しようとするわけですし。……銃声そのものは響いた方が自然でしょうから、使うのはこの銃でかまいません。構図として、私は被害者であなたは加害者なんです。うふふふ……ですので……先ほどから、私はあなたの腹部を撃ち抜こうとしています。弾丸はしっかり装てんしてありますよ。あと……念のため、ナイフも用意しておきました。あなたを射殺せずこれで刺すのもいいかな〜って。まぁ、あなたが乱暴した証拠として……私の身体を傷つけるのに使うのもいいかもしれません……。ふふふふふ……私の立てた計画はどうでしょうか?」
クリスタは男に光る刃を見せてから、にやりと笑った。
「……。……か、かなわないな……」
ウィリーはつぶやいた。
クリスタ「……あなたの立場が、おわかりいただけましたか? ……。しかし……安心してください。私は誰にもあなたのことを明かしません」
ウィリー「……!?? ……どういうことだ?」
クリスタ「……謎が解けたのです。私がリーダーと行動を共にしてから……いつも気にかかっていたひとつの謎が……。私たちが進む先には、私たちへ敵対する者が当然のように待ち構えているでしょー。歩いている私たちが突然、襲撃されるのならまだしも……戦う相手は武器防具で身を固めていて……お前ら、ようやく来たか……待ちくたびれたぜって顔してます」
ウィリー「…………」
クリスタ「……どうしてなのかなーって、私は不思議だったんです。相手が先回りしているのは、なぜなのかなって。……あなたが敵方へ私たちの情報を流していたからだったんですねぇ〜。……私の疑問が消えたのと引き換えにあなたのことは大目にみてやりますよ。私自身、エンジニアであるあなたに感謝している部分は確かにありますし。……あなたは私達の機能を拡張し、個々の能力を向上させ、システムアップデートしてくれた恩人です。だから、停止コードが効かなくなっている。これからも……極秘任務は続けてかまいません。その方がご都合がよろしいでしょう。……私はあなたの行動を阻みませーん」
ウィリー「……そ、それなら……クリスタ、お、俺と組まないか? ……エ、エアハルトの行動をあいつらに報告しているだけで……結構な量のリリーがもらえるんだ。怪物を狩ってショップに持っていくよりもずっともらえる! ……も、もらったリリーは俺とお前で山分けしよーぜ! ……な?」
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