夜は渋谷で暁の夢を見る

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彼が真彦に惹かれたのは、小学生の頃だと言う。兄に誘われて家に来たのを見て以来、一途に思いを寄せていた。 16歳になった時、彼は地元駅で19歳の真彦を見つけて声をかけた。今、真彦と暁斗がしているように連絡先を交換し、食事までこぎ着けた。 その帰りに交際を申し込まれた真彦は、大人になったらと保留にしてしまった。 19歳になった夕斗から改めて告白を受け、了承したのが2年前だ。そうしたのは、彼の中に、会う手段のなくなった暁斗の面影を見たからに過ぎない。 ただ、2人は中学生以上に成長しており、当時の暁斗にはさせていなかった事まで、夕斗には許した。 しかし上京すると決めてからは、自分の事で精一杯だった。夕斗にはしばらく会えなくなると伝えたきりだ。
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