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知盛「紬、兄上は
すっかり人が変わってしまった。」
知盛は紬のお腹を優しく撫でました。
実は紬のお腹には
また知盛の子が宿っていました。
西暦1181年01月10日に懐妊が分かりましたから大分お腹が目立っている頃でございました。
宗盛の強引な方針は少しずつ仲が良かったはずの兄弟の間に歪みを産み出してしまいました。
西暦1181年08月10日、
紬は咲樂を産みました。
知盛「紬に似た可愛い姫だ。」
知盛はとても喜んでいました。
さてそれから約2年が経った
西暦1183年05月10日。
「帰って良い…?ダメ?帰らせて!」
気弱な総大将と…
宗盛「私の甥ならば木曽の山猿に負けることなど絶対に許さん!」
義仲「山猿でないと言ったら山猿でない!俺の名前は源 義仲だ。いい加減に覚えよ!」
理不尽な命令ばかりする宗盛から揶揄されまくりで怒りまくりの義仲の戦いが始まりました。
結局宗盛に「行け!行けるはず!
不安など気合いで吹き飛ばせ!」などと訳の分からない事を言われて退く事が出来ない維盛は顔面蒼白状態でキョロキョロ周囲を確認しておりました。
これでは「僕、かなりビビってます!」と主張しているようなものでございます。
これには義仲も、
「こんなに臆病な奴が総大将なら勝てる!」
してやったりと言わんばかりの笑みを浮かべながら維盛を見ていました。
義仲「巴、誘導するぞ!」
巴御前…身分がかなり低いため義仲の正室には無論なれませんでしたが義仲とは幼い頃から一緒にいるので仲は良く義高は2人の間に産まれた子です。
巴「誘導でございますか?」
さすがに幼い頃より共に過ごしてきた
とは言いましてもこんなに短い言葉で
分かる程「ツーカー」でもありません。
巴が首を傾げていると巴の兄である
今井 兼平が大量の白旗を持って来ました。
今井 兼平…巴の兄であり義仲の乳母子であり義仲の忠実な家臣。
兼平「巴、俺達は少なすぎる軍勢だろ?」
兼平にはどうやら義仲の短い言葉の意味が分かったようでございます。
巴「そんなこと…兄上に言われずとも
承知しております。」
平 維盛が率いる平家軍は70000騎、
対して義仲軍は30000騎しかおりません。
なので…。
義仲軍は軍勢を分ける事にしました。
総大将である義仲が率いる軍勢は20000騎。
樋口兼光率いる軍勢は2000騎。
今井兼平率いる軍勢は3000騎。
巴が率いる軍勢は5000騎。
巴「それで作戦というのは…?」
巴が首を傾げると兼平が義仲の
代わりに話し始めました。
兼平「俺が持って来たこの大量の白旗、これを利用するんだ。」
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