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知盛からは庇われたものの維盛は…
自分が情けなくて落ち込んでいました
維盛「僕は…
どうしてこんなにダメなんだ?」
維盛にも大切な人達がいます。
藤原 小夜子…
建春門院新大納言という役職で今は亡き建春門院に仕えていました。
藤原成親の次女で維盛の正室ですが
そのせいで肩身の狭い想いをしておりました…。
小夜子「どうなさったのです?
維盛様。」
維盛「小夜子か?
京まで僕は逃げ出してしまったんだ。
僕が判断を間違えなければ皆、
死なずに済んだ。」
小夜子は夫の言葉に首を振りました。
小夜「維盛様はお優しい方ですから
戦が苦手なんですよ。ですから戦が
悪いのです。戦となれば命と命の
やり取りです。貴方にも私達という
大切な人達がいるように相手の兵達にも大切な人達がいるのです。ですから…悪いのは戦です。」
維盛「そんな事を叔父様に聞かれてみろ、怒髪天を衝くだろうな。でも…ありがとう僕は悪くないって小夜子が言ってくれてとても嬉しいよ。」
六代「父上様、僕が頑張るよ。
戦は僕に任せて。父上はゆりと母上様を御守り下さりませ。」
六代はこの年で10歳になりますが
父親に対して気の使える子になって
おりました。
ゆり「父上様には兄上も母上もゆりも
おりまする。父上様はお独りではありませぬ。」
ゆりもこの年で8歳になります。
母に似て優しくなったゆりは気落ちする父親を優しく励ましておりました。
一方少数ながら勝った義仲軍は、
破竹の勢いで京へ向かっていました。
義仲「よっしゃー!行くぞ、京!」
平家はこうなった以上、
義仲が京に入らぬよう山科の地を死守する必要性がありました。
宗盛「池殿に任せよう…」
その山科防衛に白羽の矢が立ったのは維盛と似たり寄ったりなくらいに平家一門から孤立しているこの方でした。
平頼盛…池殿に住まう平家の一族だが頼朝の命乞いをした池禅尼の息子であるため一門の中では浮いていました…。
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