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「剣術の訓練がしたいのですが、付き合ってくれますよね? 兄さん?」
「聞かなくても分かるだろ。そっちのタイミングで構わない」
本来訓練では、刃が潰された剣を使うが、いつも第四皇子は真剣を渡してくる。
断れば、俺が頷くまで暴れ回り、使用人を殺して回り、最後には自分を人質にする。
最初は断っていたが、弟の異常性に気がついてからは、俺は頷くことしか出来なかった。
「それでは――今日こそは、兄さんの右腕貰いますね!」
言葉を言い終えると同時に、勢いよく間合いを詰められ、右腕を狙われる。
いつも通りの、防御を捨てた俺の身体の一部を取る為だけに放たれる一撃。
「甘い」
「うぐっ・・・」
無防備に晒された第四皇子の腹部に、俺は膝蹴りを入れた。
地面に蹲った第四皇子の髪を掴んで、反応が無くなるまで蹴りを入れる。
首を掴んで締め上げようとした所で、その光景を遠くから見ていた第四皇子の付き人が、焦った様子で駆け寄ってきた。
「剣を持った第四皇子を俺に近づけるなと命じたはずだが、命が惜しくないようだな」
「っ・・・! も、申し訳ありませんでした! 家族だけはッ! 私の命だけで、どうかお許しいただけないでしょうかっ・・・!」
「くだらない。ゴミがいくら増えようが、償いになるはずが無いだろう? これを連れてさっさと失せろ」
付き人に向けて、第四皇子を投げ捨てる。
「あ、ありがとうございます! この様な失態は、二度と致しません!」
第四皇子を抱えた付き人は、暗殺者顔負けの速度で庭園から離れていった。
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