一章

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15  昨日の件は俺が予想した通り、皇帝の耳に入っていたらしい。  しかし、予想外だったのは――  使用人を殺した犯人が、第二皇子だということが、正確に報告されていた事だった。 「今は陛下の指示で"教育"を受けている最中だよ」 「・・・そうですか」  自身の体験を思い出して、皇太子から目を背ける。  教育とは名ばかりで、実際はただの拷問だ。  鞭で一日中、気絶しても打たれ続ける事もあれば、手足を切り落とされることもある。  魔術で作られた生物を体内に入れられたり、全身に釘を打たれることもある。  皇帝の側近には、教会の元最高位司祭が居るので、教育が終われば傷は元通り修復される。  イカれた皇子達は、傷さえ治れば精神面のケアなんて必要としないが、俺は違う。  あんな経験、二度と御免だ。
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