一章

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4話  小説の中のハイデルト帝国の皇族は、悪役その物だった。  逆らうものは殺し、気に入ったものがあれば人でも物でも強引に手に入れる。  ただでさえ家計の苦しい国民に、追い打ちを掛ける様に課税を行い、戦争まで引き起こし、飢餓が起きる。  そんな状況に見かねた男主人公――エミリオ・カディエゴは、  北部の公爵であるラスタ・カディエゴと、悪政に終止符を打つべく動き出す。  カエディゴ公爵は、帝国建国に協力した四つの公爵家の内のひとつ。  皇帝といえど無視出来ない存在だが、謁見をした所で無意味な事は理解していた。  公爵達は、皇族の残虐性に魔力が関係していることを理解しており、それらを発散させる方法を考えた。  膨大な魔力を持つ者は、定期的に魔力を体外に発散しなければ、暴走を引き起こす。  その為、普通の魔術師ならば定期的に魔力の発散を行うのだが――  周囲の事など気にしない皇族は、わざわざ他人の為に、それもゴミと蔑む相手の為にそんな事をするはずが無かった。  男主人公達がどうしたものかと頭を悩ませていたその時、公爵の耳に朗報が入る。
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