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4話
小説の中のハイデルト帝国の皇族は、悪役その物だった。
逆らうものは殺し、気に入ったものがあれば人でも物でも強引に手に入れる。
ただでさえ家計の苦しい国民に、追い打ちを掛ける様に課税を行い、戦争まで引き起こし、飢餓が起きる。
そんな状況に見かねた男主人公――エミリオ・カディエゴは、
北部の公爵であるラスタ・カディエゴと、悪政に終止符を打つべく動き出す。
カエディゴ公爵は、帝国建国に協力した四つの公爵家の内のひとつ。
皇帝といえど無視出来ない存在だが、謁見をした所で無意味な事は理解していた。
公爵達は、皇族の残虐性に魔力が関係していることを理解しており、それらを発散させる方法を考えた。
膨大な魔力を持つ者は、定期的に魔力を体外に発散しなければ、暴走を引き起こす。
その為、普通の魔術師ならば定期的に魔力の発散を行うのだが――
周囲の事など気にしない皇族は、わざわざ他人の為に、それもゴミと蔑む相手の為にそんな事をするはずが無かった。
男主人公達がどうしたものかと頭を悩ませていたその時、公爵の耳に朗報が入る。
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