一章

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6話  報告を聞いたカディエゴ公爵は、すぐに見習い司祭を連れて来る様、エミリオに命じた。  エミリオは父の命に従い、見習い司祭の居る教会へ向かう。  皇族の悪評は全国民が知るところなので、エミリオは断られるだろうと思っていた。  しかし、見習い司祭は自分が民を救えるならと、笑顔で了承した。  エミリオは貴族である自分よりも、民を思う見習い司祭の姿に心打たれる。  こんなに優しい女性が、皇族の威圧に耐えられるのだろうか。  エミリオは一晩悩み――公爵邸で貴族や魔術師達に慣れてもらった後、見習い司祭を皇族に会わせることにした。    公爵邸で過ごす内に、エミリオは彼女の名前がラフィーナということを知る。  ラフィーナは訓練中の騎士や魔術師の治療を行い、公爵家に必要な存在となっていった。  エミリオにとっても、その優しく美しい内面に惹かれ、大切な存在となっていた。
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