第1話 願ってたけど

2/3
200人が本棚に入れています
本棚に追加
/335ページ
 お母様の方がもっと凄いけど……あたしもちょこっとだけは、お菓子とかを作れる。料理長のシェトラスがいなきゃ大変なところがあるけど。  お母様は凄いの。  パンをすっごく美味しく作れるの。あたしは……大きくなってきてから、いつも食べれていたけど……他のお家とかだとまだまだ美味しいものが少ないんだって。  お母様は、お祖父様がいらっしゃるお城でも教えられるくらい……凄い料理人でもあるんだよね? お父様はお母様のパンはいつもよく食べていたけど……ディオスが出来て、お父様もだけどあたしもパンはお預け。  シェトラスとかのパンも美味しくないわけじゃないけど。 「リーシャぁ!」  でも、今することがないのでシェトラスのいるちゅーぼーへ行こうとしたら。  前からあたしを呼ぶ声が聞こえてきた。 「サリー姉!」  と、サリー姉の後ろでビクビクしている男の子が一人。  あっちは、お母様の親友の子供……で、伯爵家の坊ちゃんだ。名前は、ミラクル。  サリー姉も伯爵家の子どもだけど、ミラクルのお姉ちゃんじゃない。  どっちも、あたしの幼馴染み! 「やっほー! ミアもちょっとぶり」 『みにゅ!』  サリー姉がミアに挨拶すると、ミアはコクコクって首を振ったわ。その返事にサリー姉はもっと笑顔になるけど……ミラクルの方はと言えば。 「こ……ちは」
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!