第114話 大風邪引いて②(セシル視点)

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「別の日に改めて申し込むけど、受けてくれますか? リーシャ=コルク=ローザリオン嬢」 「……受けます。セシル=アルフガーノ殿」 「やった!」  強くじゃないけど、ぎゅっと抱きしめてあげた。リーシャの気持ちが本当に俺と同じものだとわかって嬉しくなって、つい抱きしめたが……彼女は嫌がっていなかった。リーシャも嬉しいんだってわかって、俺はさらに嬉しくなる。 「……セシル兄、婚約者?」 「うん。……将来はその呼び方やめようか?」 「…………まだ、しばらくは呼びたいな」 「まあ、子どものうちの特権だからね」  呼び捨てしてほしい気持ちもあるが、その願いはしばらく受けてあげよう。
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