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第116話 受け入れられて
あったかい。
うとうとしてきたけど……まだ寝たくない。
せっかく、セシル兄があたしの許婚さんになってくれたんだもん。手は握ってもらっているけど、まだ離したくない。ずっとセシル兄と一緒にいたいの。
でも、まだそれぞれのお家の事もあるから、セシル兄は帰らなくちゃいけないんだ。わかっているけど、寂しくなるからぎゅっと手を握っちゃう。
「リーシャ? 俺はここにいるよ?」
「……けど。帰っちゃうんでしょ?」
「仕方ないけどね。またすぐ来るから。これからはずっと一緒だし」
「……うん」
きちんと申し込みは受けたけど、あたしは今は風邪。
ちゃんと寝て休んで、体をしっかり治して……そこから、セシル兄とあいさつし直して、『婚約』するんだ。
だから、今はしっかり寝なきゃいけない。
うとうとしてくると、セシル兄にほっぺにキスをされた気がするけど……次に目が覚めたら、やっぱりセシル兄はもういなかった。
「……汗凄い」
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