第1話 願ってたけど

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第1話 願ってたけど

 ずっと前から……お母様達が願っていたこと。  あたしの……『弟』が生まれた。  あたしのお家……ローザリオン公爵家の『お世継ぎ』。  とっても嬉しいことだけど。  とっても……寂しいことも出来た。  お母様が……弟、ディオスと。ずっと……ずーっと一緒だと言うことだ。  お母様はあたしも好きって言ってくれるけど……ディオスが出来てからは、あんまり一緒になれないの。  乳母はいるんだけど……お母様は出来たら、お母様がちゃんと育てたいって言うんだって。あたしの時もそうだったらしいけど……寂しいなあ。  いつも大変そうだから……あたしは一緒に居ても邪魔だ。  公爵家のれーじょーとして、お勉強はするけど……ほとんど一人。  お父様もお仕事が大変だから……一緒には居られない。  まあ、あたしも本当に『一人』じゃないけどね? 『みにゅ? ご主人様?』  ディオスよりは、大きな赤ちゃんの精霊。  あたしとそっくりの緑色の髪に、銀色のおっきなお目々。  お母様の契約精霊の子供、ミアがあたしの契約精霊。  ちょっと不思議な話し方をするけど……可愛いんだよね? 「んー。暇だなあって」 『おかち、作りに行きましゅ?』 「そーだねー」
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