11人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「中学は違っちゃうけど、これからもよろしくね」
並んで写真を撮った後に実夏がそう言った。
同じマンションで育ち、幼稚園、小学校も一緒だった僕たちは、十三年めの人生で、とうとう別々の場所に通うことになる。
「うん。でもさ、学校違うだけだろ。またフツ―にマンションの中とかで会うって」
「……それもそっか」
僕の言葉に実夏は納得したらしく頷いていた。
卒業式だからって、「せんちめんたる」なことでも考えてたんだろうな、大げさなんだよ。
そんなことをあの頃の僕は思っていた。
しかし、実夏と僕は同じマンションに住み続けているのに、なかなか会うこともなく、あっという間に僕たちは中学三年になっていた。
最初のコメントを投稿しよう!