いちばん高い場所で

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*  昔から成績のよかった実夏は、中学受験をして電車で三十分かかるという私立中学へ進んだ。  僕はと言えば、家から徒歩五分のところにある地元公立の中学へと進んだ。  朝も帰りも時間が全く合わなくなった僕たちは、同じマンションに住んでいるというのに全く顔を合わせなくなってしまった。  同じ小学校だった女子から、実夏が私立中(あっち)で一個上の先輩とつきあってるらしいとか、そんな噂を聞いたりもしたが、だからといって僕が気にすることでもなかった。  僕は僕で立ち向かうべきことがあった。バスケ部も忙しかったし、やらなければいけないことは次から次へと降りかかってきた。  部活を引退して少しは落ち着くのかなと思っていたら、今度は受験勉強が襲い掛かってきた。  県内模試で書いた第一志望から第三志望すべてがE判定だった僕は、「もう遅すぎる」と言われつつも市内にある塾の夏期講習を受けることになった。
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