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「まさか……私の安易な人助けで苦しむ人が増えていたとは」
続ける海紀の独り言に今度は脳が反応し、即座にまた振り返ってしまう。それは違う、お前は何も悪くない!そう叫びたがる俺が流石に変に見えたのか「どうか、したの?」と訊かれ、「あ、いえ」とまた我に返る。
「ごめんなさい。こんな心情を伝えたところで、被害者は海紀さんであり、あなたたちなのに……」
どうすればいい?俺は何を語るべきなんだ?出てこないわだかまりが行き場を失って手先に流れ出る。
「海斗、伝えて」
裏から回ってきた海紀が、俺の視線に入るように女性の真横に立つ。
「気休めにもならないかもしれないけど——」
「 私は後悔してない 」
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