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ああ?今日は静かだな。鬱陶しい劣等の気配がないな。
ドリゴール・ボリバル教員は、いつもの授業に鬱陶しい生き物が転がっていないことに気付いていた。
やっとか。やっとあのゴミを追放出来たのかな?
だったら、何で俺を呼ばないんだ?
息の根止めてやろうと思ったのに。
あれは痴漢の子孫だから、飛行艇には乗れない。
とぼとぼ邦に歩いて帰ろうもんなら、プラチナの生徒を集めてリンチして殺してやろうと思っている。
1度くらい、生徒にゴミの殺し方教えてもいいんだよな?
あれやこれやと、ブロンズを殺す想像を働かせていた。
授業が終わって、フランチェスカは、練習所の脇の池の前に立っていた。
本気?もう2時間もよ?まさか。
「ぐばああああああああああああああ!」
「っきゃああああああああああああ?!」
いきなり顔を出した、初恋の相手に、慌ててフランチェスカはスカートを押さえていた。
「ああごめんごめん。どうだった?タルカス」
「後半30分、軽い地獄だったぜ」
「無駄に呼吸しすぎなんだお前は。呼吸数のコントロールは前にやったろ?」
「俺はトカゲじゃねえんだよ」
やいやい言いながら岸によじ登った。
「うん。まあこれでいいだろう。新魔法の開発は成功だ。ブレスレス・ラング。水中活動魔法だよ」
改めて、フランチェスカは言葉をなくしていた。
まさか、ただの2期生が、新種の魔法を?
いや、フランチェスカの驚愕を、俺は遮っていた。
「これはね?例えば、難破して沈んだ船の調度品を安全にサルベージする為の魔法だよ。エビルの本にあった。これがあれば、マグマの底に沈んだ物ですら引き上げられるってあったが、マグマに何が沈んでるっていうんだよ。まあ理論値って奴だな。魚竜の群れにも勝てないから、大陸棚の向こうにも行けない。ただ、この魔法は独自に酸素を生み出しているから、あの理事の禁止令には引っかからない。呼吸?してませんが、何か?って感じだよ」
そうやって、変な理論でごり押しされた人間て、嫌でしょうね?
その時、俺は、のちに現れるひまわりという新人類に、同じようなことを言われて困るのだが、まあそれはそれで。
「よし!タルカス!犯人探し再開だ!可愛い子のパンツを盗むような奴は許さん!特に!今履いてるいい匂いのするピンク色のパンツは、何があっても守り抜いてみせる!ああああああああああああああああうああああわ!」
真っ赤になっちゃったフランチェスカに、俺はボコボコにされた。
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