記憶改ざん魔法

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記憶改ざん魔法

 俺は、タルカスの首根っこ引っ掴んで、校医のマリア・コーウェル先生に会いに行った。  マリア先生って、昔凄い美人だったんじゃないか?って思うことがあった。  何故か、俺の母さんと親父とも仲いいってのもあったし。 「あら?どうしたの?」  ボリューミーな髪を、乱雑に後ろで束ねた、親父と同い年くらいのおばさんが言った。 「ああどうも先生。こいつの頭、変じゃないですか?」 「――え?」  校医の立場じゃ、変ね。この子の頭。とか言いづらいんだろうなあ。 「いや、ちょっとした魔法の研究というか。人の記憶を、改ざんするって魔法、ありませんか?」 「メモリービジョンの改ざん?面白いことを言うのね?貴方」  カーテンが開いて、ババアが現れた。  っていうか、どこまで変態だよ。ホルターネックのドレスから、おっぱいがはみ出しちゃってるぞ?ピンク色が。  ところで、ババアのおっぱいを見なかったことにして俺は、 「メモリービジョンって、確か」  古の賢人アライダー・ファーストエビルの論文に、メモリービジョン、視覚記憶って概念があったような気が。 「ええ。あの引きこも――ファーストエビルの本の通りよ?視覚記憶を捉えられれば、部分的な記憶のすり替え程度なら可能よ?」 「突然何を――うごう?!」  ああ珍しい。ババアがタルカスをおっぱいに引っ張っていった。  ああ同時に何か、不可解な振動と発情臭が。  どうしよう?助けるか? 「離せ!ババアのおっぱいには用はねえんだよ!そりゃあ犬っころにしろおお!」  よし許す。タルカスの童貞食ってやってください。 「メモリービジョンの改ざん。言葉にするのは容易いけれど、僅かな改ざんであっても難しいわよ?特に経験記憶というものは、その後の行動に強い影響が出るのよ。あら大人しくしなさいな」  ふんがああああああああ!ってタルカスの悲鳴が。 「珍しく、ここで寝るなんて言ってたから。ルルド。生徒に無茶しないでね?」  人によって分かれるだろう。おっぱい地獄と見るか、天国と見るかは。  ところでタルカスは窒息しそうになっていた。 「記憶の改ざんで、一番容易いのは恐怖か、それに類する願望を捉える必要がある。ああ。これね?確かに改ざんされた形跡があるわね?やった相手は拙いけど、ね?」  校長は、簡単に額に吸い付いた。  ああ。額にでっかいババアのキスマークが。  凄え吸われてるよ。タルカスが。  そしてこのババア。まともじゃねえな。マジで。 「ええ。これでよし」  魂を吸い尽くされたって体で、タルカスを打ち捨ててババアは去って行った。
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