彼女が助けてくれたが

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彼女が助けてくれたが

 翌日、またもや校長のパンツが消えていたらしい。  だから、盗んだの誰だ?  勿論、俺でもないしタルカスでもない。  その証拠に、今もタルカスは呆然と、 「おっぱい。おっぱいぱい。おっぱいぱい」  はい。タルカスの脳は見事にバグっていた。  いや、エビルの本にバグるって概念がさ。  ところでやめてくれ。パン守護が見てる前でそれは。  ああヒソヒソしてんよ。いよいよ俺変態だな。 「ジョナサン、犯人は見付かった?」  あ。彼女のおっぱいの匂いが。  誰1人近付かなくなった俺に、気安く近付く彼女(フランチェスカ)に嬉しく思いながらも、やはり距離を取って俺は応えた。 「いえ?俺は違うんですけど」 「ですけど?」  ああ。敬語使うと機嫌損ねるんだ。 「ああいや。とりあえず、昨日医務室に寝てた別の人物には見当が付いてんだけどね?」 「それって?誰?」 「いや、それが解らなくて。だから、逆に見当が付いた」  ん?それって。彼女が言おうとすると、 「よし!いつものように下着泥の変態は隅っこに立ってろ!授業を始める!」  ボリバルがやって来ちゃって、俺は無言で立ち上がった。  全員が、俺を下着泥だって目で蔑んでいた。  彼女のうなじの残り香だけが、俺をコッソリ支えていた。
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