10. 謎の解明

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10. 謎の解明

彼とコミュニケーションを図れば少しは気まずさから解消されるかも……。 と前向きに思い始めるようになり、勇気を振り絞ってカーテン越しから話しかけてみる事に。 「あのぉ、お隣さん。入室記録表と上履きに書いてあるのは、どうして★マークなんでしょうか?」 「……」 彼は明らかに起きているが、突然質問を投げてきた私を警戒してるのか話に応じず。 それでも安心材料が欲しくて彼に再び問いかけた。 「もしもーし。隣のベッドのあなたに話しかけてるんですけど」 「……」 「星さーん。あなたですよー、隣のベッドのあなた。私の隣のあな……」 「あー。もう、うるせーなぁ。せっかく休んでるんだから静かにしてくんねぇ?」 彼は強めの口調で気怠そうに答えた。 コミュニケーションが図れたと同時に、聞きたい事が喉から口へと押し出されていく。 「あの、先生が戻ってくるまでの間だけでいいので、★マークの秘密を教えて下さい」 「……」 「教えてくれたら、これ以上は詮索しませんから」 「……絶対?」 と、彼はボソッと呟いた。 警戒心が強いタイプなのか、妙に疑い深い。 「はい。絶対」 「約束する?」 「します、します〜。約束は守るタイプです」 「フッ……、なんか返事が軽いな。まぁ、いいか」 軽い溜息が耳に入った瞬間、不思議と心の距離が縮んだように思えた。
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