19.繋がり合う思い出

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19.繋がり合う思い出

教室に戻るセイに付き添った養護教諭は、ほんの僅かな二人の会話を耳にしていた。 「彼女と友達になったの?」 「いや……、彼女とは元々友達だった」 セイはその一言だけを口にすると、紗南が語った思い出と自分の思い出を重ね合わせた。 声楽教室。 星型の飴。 大雪の日の再会の約束。 全ての思い出が過去の自分と共通していた。 彼女が再会を願ってる人は自分に違いない。 紗南の思い出はセイにとっても色褪せない思い出であって、互いの大切な思い出同士は長年の時を経てもしっかり繋がっている。 幼い頃の彼女に渡した星型の飴は、自分の名前の一星の一文字という事と、昔から星が好きだったから。 歌が思うように歌えなくて悔し涙を浮かべていた好きな子に笑顔になって欲しいから、いつも欠かさず鞄の中に飴を入れて持ち歩いていた。
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