セカンドラブ

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 そのたびに私は、遥がもういないんだという事実を再認識させられ、焦燥感にかられ胸を抉られ絶望する日々を過ごす。  そんな私も、もう45歳になり、大概な歳になっていた。白髪も増え、かおの皮膚もたるみ、おじさんになっている事実に落胆していた。  そんなある日、私が公園のベンチに座りうなだれてると、懐かしい甘いシトラスの香りがするのと同時に不意に肩を叩かれ私はハットして振り返る。  すると満面の笑みを浮かべた腰まである黒髪をポニーテールにしている小柄の女性が微笑みながら佇み、そして告げた。 「正和、またせたね」  私は、直ぐに彼女が遥かの生まれ変わりだというを悟っていた。そしてまた遥に恋することも……。
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