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差無頼もの
静寂が支配する原っぱで刀を構えた侍が合間見えていた。それを月明かりが照らす。
一人の侍の名は前田弥之助成正といい北辰一刀流の使い手で、もう一人の侍の名は早川実衛門兼近といい神道無念流の使い手だ。
二人はまさに果たし合いの最中なのである。
緊迫した空気の中、二人は動けずにいた。手練れ同士の戦いの勝敗は一瞬で決まる。
そんな中二人は互いを見据えじりじりと間合いを詰め、刀を振るタイミングを見計らっていた。
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