まさかの繋がりです。

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 「痛ったぁ……」  頭を押さえつつ起き上がる。  この痛覚が、今いる場所が俗世であるということを明確に物語っていた。  「何よ、ここ! めっちゃ山ん中じゃない!」  ビジネススーツにパンプスだっていうのに。  身体についた小枝や落ち葉を払いつつ、大切な鞄を拾い上げる。  前方に黒煙が見えた。    「!!」  進んでみると、黒のSUVが横転して黒煙を吐いている。  上を見上げると、ガードレールが突き破られていた。  事故だ。  カーブを曲がりきれなかったのか。  「嘘……」  寂しい山道。  通りかかる車はない。  「大丈夫ですか!?」  駆け寄って叫ぶ。  横向きになったフロントガラス越しに、あの金髪の男の人が見えた。  頭から血を流し、ぐったりとして動かない。  隣で誰かが身じろぎした。  「あッ!」  栗色の髪、ポニーテール。  白いワンピース。  さっき冥界に来た女の人──!!  「シュンちゃん!? イヤ! しっかりして!!」  隣の男の人に必死で呼びかけてる。  事故のせいで気を失ってたんだ。  (たかむら)に「帰れ」と言われて、意識が戻ったのだろう。  女の人は、冥界に来た時「シュンちゃん、どこ?」と言っていた。  つまり、金髪の男性が“シュンちゃん”。  そして、この女の人は”アコ”さんってことだ。  この2人、繋がってた──。  「大丈夫ですか!? 今、救急車を──!」  必死で呼びかける。  何としても助けなきゃ。  この女の人……アコさんのためにも。
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