31人が本棚に入れています
本棚に追加
全身黒のスーツで決めたホスト系。
篁の肩に寄りかかって手を振っている。
いつの間に出てきたんだろう。
「え……綺っ麗……」
思わず声が漏れちゃうほどカッコいい。
おまけに、常に目を吊り上げている篁とは対照的にとっても気さくな感じだ。
篁がうんざりしたように腕組みした。
「閻魔か。仕事はどうした」
「秦広王に説教しに行ったついで。
どんなコか見たくてさ」
その人は篁に寄りかかったまま、懐から手鏡を取り出した。
角度を変えながら自分の姿をチェックして視線をこちら戻すと、親指で篁を指す。
「リーダーの閻魔でーす。
一応、こいつの上司ね」
私はといえば、その妖艶な目力に魅せられて開いた口が塞がらない。
ミディアムに流したダークブラウンの髪と同じ色の瞳。
カッコ良すぎ! 少しチャラいけど。
……っていうか。
「ええぇっ! 閻魔ぁっ!?」
これが!?
あの、嘘ついたら舌を引っこ抜かれるっていう……。
閻魔さま!?
「ぶふっ! 口がアワアワしちゃってるじゃーん。
紗那ちゃんはかわいーねぇ」
閻魔が破顔した。
最初のコメントを投稿しよう!