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 目が覚めた時、僕は僕を見ていた。僕の目は高い所から見下ろしていた。意識だけが浮遊して天井から眺めている――そう、幽体離脱ってやつだ。  その部屋は白い壁と白い天井に囲まれていて、真ん中にストレッチャーがあって、裸の僕が寝かされていた。無数のチューブや点滴の針が体中に挿入されている。ストレッチャーの周りはパソコンがずらりと並び、白衣姿の男女がしきりにキーボードを叩いていた。こいつら医者か。医者というよりは研究員みたいな感じだ。  ウソだろ。死んだのか。  オレは死んでない。僕は死んでない。これはきっと何かの間違いだ。  都市再開発地帯に踏み込んだら、いきなり頭痛がして、心臓が締目付けられるような痛みがあって、そこまでは覚えているが… 「これは夢だ! 早く覚めてくれ!」  思わず叫んだ。 「いいえ、夢じゃないわ。現実なの、レン」  聞き覚えのある声が耳元に届いた。視線の先に、セネア・コールがいる。別れの置手紙をさらりと置いて、僕から去っていった恋人が目の前にいる。どういうことだ?  「お前たちがチャミーを殺したんだな」 とっさに思いついた言葉を投げた。 「チャミー? ああ、あのAi栗鼠のことね。あたしがプレゼントしたやつ。気に入ってくれたみたいで、ありがとう」  セネアは嬉しそうに笑った。 「ふざけるな! 俺をもとに戻せ」  僕は手足を振り回したつもりだったが、本当はどこも動いていなかった。  いや…ストレッチャーに寝かされているが激しく動いただけだった。  
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