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川瀬と佐橋に再会したのは、 それからちょうど2週間後のことだった。 「朝から呼び出してごめんね。眠い?」 佐橋に優しく訊かれ、微笑んで答えた。 「いや、大丈夫」 今回の逢瀬も、同じ鶯谷のラブホ。 王子の自宅からは至近距離だから 決して苦ではなかったし、 川瀬に会えることが嬉しかった。 「由貴は、機嫌悪そうだけどね」 「別に」 ふいっと横を向いた川瀬の表情は、 確かに曇っている。 「どうしたの、川瀬くん」 「何でもない」 「何でもないっていう顔じゃないよ? まあいいや。岸野くん、あれから心境に 変化はあった?」 「えっ」 佐橋に訊かれ、動揺した。 沈黙してしまった僕に佐橋が言葉を続けた。 「変化があったみたいだね‥‥それは、 僕たちに深く関係がある?」 「ど、どうかな」 ちらっと川瀬を見たが、 まだ川瀬はそっぽを向いたままでいる。
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