36人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「知りたい、聞かせて」
「うん‥‥映画館で会ったのは偶然だけど、
僕たちは葵を高校の時から知ってたんだ。
神代さんって覚えてる?」
「あ、うん‥‥高3の時のクラスメイトだ」
「葵がランチメンバーから外された理由を
佐橋が聞いたんだ‥‥葵、当時好きな人が
いた?」
「うん‥‥数学の教科担任に岩瀬っていた
でしょ?あの人。全くの片想いだけど。
それが何か?」
「神代さんの仲間で、優子さんて人が
葵に好きな人がいるんじゃないかって
神代さんに言ったらしいんだ‥‥
で、居た堪れなくなった神代さんによって
葵はランチメンバーから外された訳」
「そうだったんだ‥‥まあ仕方ないね」
「僕たちは葵に気づかれないようにしながら
注意深く見てたよ。手を差し伸べることは
なかったけど、幸せになって欲しいって
願ってた。葵が映画館で声をかけてくれた
時、やっと直接関われるって思った‥‥
実はずっとキミに片想いしてたんだよ」
「ホント?全然知らなかった‥‥」
「先にカラダの関係になっちゃったけど、
葵とはこれから真剣に向き合いたい‥‥
葵、僕と付き合ってくれる?」
「はい、よろしくお願いします」
そう言って、川瀬と笑顔で見つめ合った。
最初のコメントを投稿しよう!