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【6月3日(土)
小学校からの親友の由紀奈が私を慰めにきてくれた。
いや、傷口をえぐりにきたのかもしれない。
だけど、由紀奈の存在はやっぱりありがたい。
いっぱい泣いて、いっぱい話を聞いてもらえたから少し気分がスッキリした。
月曜日から、いつも通り斗真と接することが出来る気がする。
由紀奈、ありがとう。】
私は高校受験の時、今、由紀奈が通う高校でも十分合格圏内だったのに、ランクを下げて斗真の志望校を選んだ。
斗真とは中学校の頃から仲が良く、斗真が「お前がいなくなったら寂しい」と言った事を間に受けた私。
「馬鹿じゃない?彼氏でもない男のそんな言葉で自分の人生を左右させるなんてあり得ない」と当時由紀奈は私を説得しようとしてくれた。
だけど私は斗真との高校生活を夢見て、今の高校を受験した。
えぇ、馬鹿ですよ。私は大馬鹿者ですよ。
由紀奈は泣きじゃくる私の肩を抱き寄せ「男は斗真だけじゃない。高校生活は恋愛だけじゃない。自分の高校生活を大事にしなよ」と言ってくれた。
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