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【6月15日(木)
避ける私の態度に斗真が気付いてくれた。
彼女が出来ても私とは友達でいたいと言ってくれた。
嬉しい。
ふたりの姿を見るのは辛いけど、私の斗真が好きだという気持ちが変わらない限り、やっぱり斗真のそばにいたい。
斗真が許してくれるなら、いいよね。】
昨日のことがあって朝からずっと、私は斗真と顔を合わせないように、逃げるように避けていた。
そして午後になって、昨日の放課後、私が彼女の友達にどこかに連れて行かれるところを目撃したと、斗真は誰からか聞いたらしい。
放課後、斗真は私の腕を掴んだ。
「舞花、瞼腫れてるじゃん。沙耶香の事でなんか言われたのか?」と聞いてきた。
普段は鈍感なくせに、なぜ今回に限って察しがいいんだろう。
私は肯定も否定もせず無言を貫いた。
少し間を置いて斗真が「舞花は俺の大事な友達だ。友達を泣かされて…黙っているわけにはいかないから」と言い、教室を飛び出していった。
その斗真の姿に嬉しくて、泣けてきた。
クラスの女子が「大丈夫?」と声をかけてくれた。
しばらくすると斗真は決まり悪そうに教室へ戻ってきた。
「ごめん。沙耶香も知らなかったみたいで…沙耶香の友達が沙耶香のためにした事らしくって…。だから、その、ごめんしてやってくれ」
……斗真、何しに行ったの?
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