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【6月25日(日)
明日から1週間期末テストだ。
今日地元の商店街で斗真と彼女が歩いているのを見かけてしまった。
彼女と目が合った気がしたけど、すぐに私は走って逃げた。
嫌だ。
もう嫌だ。
学校にももう行きたくない。
こんな想い、捨てられるなら捨てたいよ。】
「何?舞花、なんか怒っているのか?」
テスト最終日、教室で斗真が私の顔をのぞき込む。
まだこの恋を諦めきれず、ドキッとしてしまう自分が嫌だ。
「別に怒ってなんかいないよ」
「だってさぁ、最近舞花俺に絡んでこないじゃん。つまらねぇよ」
斗真が口をとがらせては文句を言う。
それは斗真への恋を諦めるためだよ!
そう叫んでやりたかったけど、正直、今斗真が声をかけてくれたことが泣きたいくらい嬉しかった。
「もしかして、キャンパラのライブのこと怒ってんのか?」
「いや、怒ってなんかいないって…」
そうだ。
本当だったらライブに行けなくなって、多少ゴネてもいい立場なんだ。
「俺、やっぱり舞花がいるから学校楽しいんだからさ、機嫌直してくれないかな」
嬉しくて悲しい言葉。
今まで通りに振る舞うなんて、出来っこない。
なのに…
「しょうがないなぁ、許してあげるよ」
なんて笑顔で斗真に合わせてしまう自分が悲しい。
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