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そんな風に過ごしてきたがAIロボットの英子との暮らしに飽きてきた、というかJのことは忘れられないのであった。
そんなころにJがFの元に来たが、何か興奮している様子であった。
「私手術して卵巣を体に作ったの」彼女は言った。早速FはJの間に子供を作ることにしたのだ。
「やはり人間の女は可愛いな」とFは彼女の脇腹にキスをした。その時英子はメンテナンスでFのいる自宅にいなかった。彼はしまったと思った。彼の時代にはAIロボットとの結婚は認められていたので、不倫になってしまうのだと気が付いたが後の祭りであった。
「実は私の恋人は武士なの」
「何?」
「今日は帰るわ」
「それがいい」と話していたところ男が部屋の中に入ってきた。
「間男だな」
「誤解です」
「切り捨て御免はわかっているな」
「勘弁してください」
「許せん、切る」
「どうしてここが?」
「英子だ」
「英子?」
「お前のところのAIロボットが教えてくれた」
「まさか」
「切る」
「やめてください」
Jの恋人は刀をあげた。Fは万事休すだと覚悟した。その時武士の後ろから誰かが背中を殴って倒したようだ。英子だった。
「うぐぐ」と武士は苦しそうに声を出した。
「あんたが悪い」
英子は言った。「Jさんはまだ独身だ」
「だから、痛いな」武士は床に腹ばいになった。
「間男ということにはならない」英子は言った。
「確かに。でも気に食わんから切る」
「切るのは私が許さない」
「違法だろ」
「合法だ」英子は力強く言った。
「今回はやめておく」と言って体は痛むようだったが、その武士は外に出て帰って行った。
「ありがとう」Jは栄子に礼を言った。
「助かった」と言ったがFはまだ少し恐怖感があった。
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