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秋
今思えば、春もこうしてた気がする。
いや、夏か?
「秋だねぇ」
カーテンの隙間から、グラウンドを見下ろしたティーが言う。
日差しの透けた葉と緑色の髪が綺麗だ。
「そうだな」
いつの間にか空が高い。
赤や黄色に色付いた葉が風に揺れていた。
「気持ち良いね」
ティーは俺に習って空を見上げている。
「今日は晴れてるしな」
今日は塾のため部活を休む平介も、お洒落メガネをクイっと上げ、カーテンの隙間から空を見て言った。
放課後、窓際の席でカーテン越しに日向ぼっこしている俺たち3人。
窓の外では、サッカー部のコーヒーこと米田と白こと白野が何か声を張り上げながらボールを追っている。
アロマティカスは日差しが好きらしく、春と秋の日向ぼっこは良いらしい。
でも、夏の湿度は駄目で、冬の寒さも駄目。
比較的世話しやすいエコ・プラントらしいけど、もはや夏も冬も長くなってしまった日本だと、生き辛いんじゃないだろうか?
「平介んとこは何すんだ?」
「たこ焼き屋だよね?」
ティーが首を傾げ、平介は頷いた。
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