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「風らは喫茶店だっけ?」
「そう」
「アロマティカス水は無料だから来てね」
「それ、2日もやって大丈夫か?」
「俺も聞いたんだけど…」
「大丈夫だと思うよ?」
ティーが頷くと、わさわさと頭のアロマティカスも揺れた。
「コレが役に立つ日が来るなんて思わなかったなぁ」
「いやでも、普段から空気を綺麗にしたり、眼精疲労を回復させたりしてるんだろ?」
「眼精疲労って…」
平介が苦笑してる。
「そうらしいけど、オレとしては何の実感も無いし。目に見えて役立つのは何か嬉しい」
「無理すんなよ?取り過ぎて8分の1切ったら絶対駄目だからな?」
「根っこごと抜くわけじゃないから大丈夫だよ?」
「でも、直ぐには生えて来ねぇだろ?」
「それはそうだけど、別に良いよ?」
「切り過ぎたら体調悪くなったりしねぇの?」
「さぁ?」
「さぁ?って…」
「したことないから」
??
頭に?を浮かべる俺らを見て、
「8分の1はこれまでの検査結果で根を痛めると死に至る、って出たからいつも手付かずで残してたんだよね。だから、切ったらどうなるかデータが無い」
「「え!?」」
それ、駄目だろ?
「大丈夫、8分の1残せば問題無いから」
「絶対だからな?」
「うんうん」
コクコク頷くティー。
動きに合わせてワサワサ揺れるアロマティカス。
「何か不安なんだけど…」
「俺も」
平介が眉間に皺を寄せておしゃれメガネを上げながら言うのに同意した。
ティーの返事も軽いから余計。
「大丈夫だよ。オレの体調はオレが1番分かるから」
そう言って、ティーは笑った。
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