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何故か懐かれた。
「結田くん、お昼一緒に食べない?」
頭以外は普通の矢吹は、度々俺を昼飯に誘う。
今日で5日目。週の終わり金曜日だ。
つまり、転入してから毎日、昼飯に誘われている。
チラリと見る。
ん?と首を傾げた矢吹の動きに合わせて、頭の葉っぱも傾いて揺れる。
何で俺?
度々俺を誘うが、こいつは休憩になれば誰かしらに話しかけられているのに。
昼飯だって、度々誘われている。
前の席だから興味も無いが聞こえるし。
「ユイ、昼行こーぜ!ってあれ?」
学食へ誘いに来たコーヒーこと米田大晴が首を傾げた。
「植物くんにまた誘われてんの?」
植物くん、はエコ・プラントと人のハイブリッドの通称。『エコ・プラント』が植物そのもので、人と合わさっているこいつは『植物くん』らしい。
「行こうぜ」
「んー?良いけど、別に1人くらい増えたって問題無くない?席はあるし」
「はぁ?」
余計なこと言いやがる。
振り向くと、目を輝かせた矢吹が期待して伺っている。
はぁーーー
バシッとコーヒーの頭を叩いた。
「痛っ!!ちょ、何だよ!」
「お前、余計なこと言うな」
「えぇー?だって今日で1週間じゃん。流石に可哀想だろー?むしろ何で断んの?」
「うっせぇ」
面倒臭いから、に決まってるだろ
期待顔の矢吹に渋々言う。
「……あー、来る、か?」
「!!ありがとう!」
小走りで後ろに並んだ。
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