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大嫌い
「風呂借りるわ」
そう言って、軋むベッドからスッと、何事もなかったかのように立ち上がる元カレ。ベッドは膨らみを取り戻す。部屋に明かりが灯ると、視界には風呂へと向かう元カレの後ろ姿。目の前には顔だけしか取り柄のない窶れた自分の姿。
お腹の下に残る元カレの感覚。別に中に出されてもなければ、しっかり避妊もしてもらっている。だから何も恐れることはない。だからこそかもしれない。この自分への嫌悪感。見窄らしくて仕方ない。そうして聞こえ始めたシャワー音。
また、体を許してしまった――。
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