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今日も暑い、真夏日の事。
例年異常気象により40℃超えはざらであり、熱中症による急患や死者は絶えないと言う。
今年も例外では無い。
去年は40℃を超えたのは数回だけだったが、今年は去年のペースを上回り、ほぼ毎日猛暑日になっている。
そんな中僕は、せっせと電車に乗り、会社へと繰り出しているのだ。まぁ、会社とは言ったけれど、僕にとっての会社は出版社の事だ。
僕は大学卒業と共に、WEB小説サイトにて新人賞を受賞し、見事書籍化が決まったにも関わらず、特に重版もなく、新作を出す訳でもなく、幾度とプロットを立て試行錯誤をしたが、担当者さんに毎回ダメ出しをされる日々を過ごしていた。
正直、担当者の方には毎度頭が上がらない気持ちで一杯だ。
デビューした作品以上のものを作るというのは、かなり難しい。
何故、こんな有様の僕が新人賞と言う名誉な賞を獲得できたのか、それには明確な理由がある。
その理由はーーー
『プルルル、プルルル』
普段鳴る事の無いスマホが鳴り響く。
「もしもし、神谷です」
「神谷くん、決まったよ。新作」
「本当ですか?」
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