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田端さんとの会議は2時間もの時間を要した。 それもそのはず、待望の新作についての会議なのだから。 田端さんには、「あんまり嬉しくない?」と聞かれたが、表に出さないだけで、内心とても嬉しい。 2年間駄作を書き続け、やっと採用されたのだから。 嬉しくない訳が無い。 新作の発売日は9月1日。約2週間後といったところだ。 正直2週間後に発売と言うと早い気もするけれど、これは僕の要望でもあった。 9月1日。僕の新人賞受賞作品『天地の門番』 が発売された日である。 同じ発売日にすると、前作の印象が薄れる懸念点があったが、そんなのが関係なくなるくらい、91という日に思い入れがあるのだ。 何故僕が9月1日を発売日にしようとしているか、その理由はーーー 『プルルル、プルルル』 また、普段鳴らないスマホが鳴り響く。
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