本日のメインディッシュは

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あれ以来、秀太は俺に抱っこをせがむ様になった。別に良いし、好かれるのは嬉しい。それに反して少し大人な瑠衣はまだ俺に対して戸惑ってる様だ。 夏休み、俺が夏風邪を引いて寝込んでる時だった。 「珠城…さん」 俺の名前を呼ぶ瑠衣の声がドアからして俺は目をそちらにやり、ゆっくり起き上がる。 「あぁ”、ごめんね。今ご飯作るから…」 マスクをして冷えピタをおでこに貼ったままドアへと向かおうとする。 「そ、そうじゃなくてっ…」 「…?」 「おかゆ、作ったんです。ど、どうぞ…」 だまだまになった卵に、お米は少し水に浸しすぎて膨れている。違うお皿に分けて大小は違えどりんごが切ってある。 一口食べれば塩辛かったが、そんなことどうでも良くなるくらい俺は嬉しくて、これはどんな三つ星シェフが作るより美味しいご飯だと思った。 「ご馳走様、美味しかったな。また作ってよ」 そう言って俺が笑えば瑠衣は嬉しそうに、こくりと頷いた。 「あと瑠衣。俺ら家族なんだし、敬語、使わなくてもいいよ」 ずっと気になってた。敬語を使うのは誰にでもそうなのだろうか? 「…うん。わかった。使わない…」 なんだか、距離が縮まった気がする。嬉しいな。そう思いながら俺はまた、眠りについた。 ☆☆☆ 夏休みのある日。 「兄さん、僕買いたい本があるんだけど…」 兄さん、にまで昇格した俺はにこにこで頷く。少しの我儘なら言ってくれる様になった。母も父もきっと天国から笑顔で見てくれてることだろう。 「じゃあ一緒に買いに行こうか。今日買い物駅ビルでする予定だったから。」 「!うん」 「おれも行くー!」 結局3人で駅へと向かった。今年の夏は随分暑いな。 「大丈夫?水ちゃんと飲んでね」 「うん、兄さんも飲む?」 俺にペットボトルを渡してくれる瑠衣。俺は、自分のあるけどな。と思いつつ瑠衣の温厚に甘えて水を2口ほど飲んだ。 「ん、ありがとう瑠衣」 「……うん、いいよ」 そう言って嬉しそうにペットボトルを受け取った。 「瑠衣にい、俺も一口!」 「秀太は自分のジュースあるだろ」 「ぶー、けちんぼ」 そうして俺たちは駅ビルへと向かった。
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