4745回の夜を越えて

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4745回の夜を越えて

あなたが生まれた時、僕はあなたの隣にいました。 月が綺麗な夜でした。その頃の僕は、もちろんあなたのことを知らなかった。 僕たちは一緒に成長していきました。親同士も仲が良くて、まだお互いがお互いを誰だか知らないまま、一緒に遊んでいましたよね。 これを幼馴染って言うのでしょうか。 幼稚園の頃は、たまにケンカもした気がします。 その頃のあなたは、僕よりも元気だったから。 男の子と砂場で転げ回ったりして、先生に怒られていたでしょう。 今では笑い話ですけどね。 小学校に上がってからは、あなたは学校を休みがちになりました。 確か、よく熱が出ていたと聞きました。 家にお見舞いに行くたび、あなたは「学校に行きたい」って言ってましたね。
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