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「まさつ、さ……も、触らないでくださ、い……。黙ってたらそのうち収まります……から……」
「言ったよな? 元気だったら看病の礼――身体でしてぇくれぇーだって。俺、深月のお陰ですっかり元気になったみてぇだから……礼しないとな?」
そう囁いた瞳は澄んだ色をしているのに獰猛で、射抜かれてしまったら心を鷲掴みにされたみたいに視線を逸らすことが出来なかった。
「だめ、です……。昨日みたいなことに、なっちゃいます……もう、実験の……結果出てるから……だめ、です……」
「だからこれは実験じゃなくて礼だって言ってんだろ? ――咲江……ちぃーと目ぇ瞑っててな」
語尾に囁かれた奥さんへの言葉と同時、将継さんが言葉通り朝の生理現象で元気に兆している下腹の中心をスウェットの上から掌で包み込んで。
「んっ……ゃだ……」
ゆるゆると揉み込まれると生理現象だったはずの緩やかな主張は瞬く間に熱となって、初心な部分は将継さんの手の中で容易く形を変えていく。
(も……、僕、流されてばっかだ……)
抗うことも出来ずスウェットのズボンを下着ごと膝まで下げられると、布地の中で秘めやかに昂っていた未熟な牡が弾けるように飛び出して、外気に触れてふるりと震えた。
「深月がさ、軽蔑しねぇか?って俺に訊いてきたこと……本当に軽蔑してねぇぞ?っていう礼をしてやる」
「礼って、どういう――ぁっ、ゃっ……まさつ、さ……駄目っ」
気が付いた時にはもう、将継さんの熱いくらいの口腔の粘膜に僕の昂った欲望の主軸が包み込まれていて――。
窄められた上唇と下唇で挟まれて、根元は筒状にした指でしっかり締め付けて擦られ、離さないのだと無言の体温で伝えてくるから。
「や……あっ……だ、め……」
この行為は僕がするもので、誰かにしてもらうものじゃないことだけは確かで、将継さんの端正な顔を歪ませていいものじゃなくて。
下肢で蠢く彼のふわふわした色素の薄い猫っ毛の中に指を弄らせて解放して欲しいと訴えたけれど――。
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