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鳩尾の痛みに呻いていると、今度は腹と背中を蹴られ続け、暴力を振るわれるのは義父以来でトラウマが蘇ってたちまち瞳に水滴が溜まってくる。
「石矢さっ……やめっ……て、くださ……」
「将継さんが帰ってくるまで楽しませてくださいよ?」
言うと、今度はカットソーの中に手が忍び込んできて、やや性急に胸先を思い切りガリッと爪で引っ掻かれ痛みで腰が跳ねてしまう。
「――っ、う!」
「俺、節操無しなんで男も女もイケちゃうし、なんならタチもネコもやれちゃうんっすよ……。将継さんには抱かれたいんすよね……本音は。だから、もう金輪際将継さんとは会いませんって誓うならやめてあげますけど?」
(何で……何で僕が離れなくちゃいけないの……? 石矢さんの将継さんへの気持ちは恋愛感情だったの……?)
涙と嗚咽が堰を切ったように溢れて止まらなくて、身体を縮こませていると下腹に手が伸びてきて、スキニーパンツを下着ごと下げられて中心をギュッと握りしめられた。
「ほら、誓ってくださいよ。『もう出て行きます』って。じゃないと無理矢理ヤッちゃいますよ?」
そんなところを握りしめられてもやっぱり将継さん以外に反応を示さないようで、ただ痛さと気持ち悪さに全身が粟立つだけで――。
「……嫌です。僕はまだ……将継さんと一緒に居たい……。暴力したかったら、好きなだけすればいい……」
思い切り腹に蹴りを入れた石矢さんが「うぜぇんだよ! 消えろ! 将継さんのそばにいるのは俺だけでいい!」と叫んで、握りしめられている萎びた中心を強引に扱かれる。
けれどやっぱり僕のそれは何も反応を示さなくて、石矢さんが怪訝そうな顔をして僕の涙に濡れた顔を覗き込んできた。
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