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胸の突起に布地が触れた瞬間、ビクッと深月の身体が跳ねて。
「ぁ、んっ……」
小さく吐息をこぼすように喘いだ深月の下腹部に、こんもりと男特有の熱の兆しを確認した私は、何とも気まずい気持ちになってしまう。
「こら、十六夜 深月。お前、そんな無防備に感じたりしてると、悪いおじさんに喰われちまうぞ」
もちろん冗談だが、後で自己処理をせねばなるまいと言う程度には、自分の下腹部も痛いくらいに張りつめていた。
「はぁー。マジで勘弁してくれ」
盛大な溜め息とともにポツンとつぶやいて、私は深月に自分が部屋着にしている黒のスウェットの上下を着せてやる。
それほど身長差はないはずなのに、深月の細身の身体に私の服はダボダボ過ぎて。そで口や裾を折り返してやらないといけないのが、何とも可愛く見えてしまった。
(あー、やべぇ。マジで抱きてぇ……)
無意識にそんなことを思ってしまった私は、つい成り行きで連れ帰ってしまったこの拾い猫を、一日も早く元いた場所へ戻さないと生理的にまずいな、と思った。
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